春の日差しとデマとティッシュ

春の日差しとデマとティッシュ

【啓蟄】(けいちつ)…

 大地が温まって、日差しが春めき、冬ごもりから目覚めた虫が、顔を出す頃という意味だ。季節を表す二十四節気の一つで、今年は3月5日だった。

 暖かな季節の到来に心躍るが、舞う花粉がやっかいな時期で花粉症のニホンザルがかゆそうに目をこする写真ニュースを見た。犬や猫もかかるそうだ。

 鼻水が止まらないつらさが分かる身としてはチリ紙の一枚も差し出したいが、買い占めによって売り場からティッシュやトイレットペーパーが姿を消している。

はるまき

なにこれ!?どっかのポエマーみたいな言い方しやがって!!

達人ちゃん

真似してみました。
今回は、今話題のティッシュとSNSで発信されるデマに関するコラムだよ

はるまき

そういえば、トイレットペーパーあと1ロールしかなかったわ…

春の日差しとデマとティッシュ

 最初は新型コロナウイルス対策でマスクが不足する事態となった。これは予防の観点から容易に想像できることで、実際に医療現場をはじめとして必要な場所で使われるのは分かる。

 ではなぜ、ティッシュやトイレットペーパーも続いて姿を消したのか。その原因は「紙製品の製造元が中国だからコロナウイルスの影響で輸入できなくなっている」などというデマだという。

 ツイッターなどでは事実を確認せず、デマを拡散されがちで、時にそれは悪意がないかたちもあってやっかいだ。

 鳥取県の米子医療生活協同組合では3月4日、組合の職員がコロナウイルスの影響でトイレットペーパーが品薄になるとのデマをSNSに投稿したと発表。謝罪し、職員の処分まで検討する事態になった。

企業側も危機感を募らせる。

 製紙業界団体の日本家庭紙工業会が「紙製品の98%が国産」「現在も通常通りの生産を行っている」と発信したが、実際コンビニやドラッグストアではすっかり見当たらない。広がりすぎたデマが事実を作ってしまい、品薄に付け込んだ高額転売も相次いだ。

 結果的に、冷静に判断した人間の首を絞めることになった。悪賢い者がずるい立ち回りで得をして、正直な者は逆にひどい目にあう。まさにそんな一幕になった訳だが、「正直者が馬鹿を見る」ことが社会にはびこれば、まさに世の中終わりだ。

 こうした状況に、ついに政府が法令改正によって転売を禁止することになった。15日からの施工となる。改正する法令は「国民生活安定緊急措置法」。読んだそのままの意味を持つものだ。

 何とか「ルールを変える」ことで悪賢い者の暴走を止め、事態の収束を図った訳だが、改めてパニック時に流されるデマの恐ろしさを露呈した。

 災害時のデマは遡れば古くから深刻な問題として存在している。1923年の関東大震災時には、流れたデマによって朝鮮人が虐殺される最悪の事態が起こった。

 最近でも2016年の熊本地震の時は「ライオンが逃げた」というデマが流され、投稿した男が偽計業務妨害容疑で逮捕された。

 時に悪意はなくとも、デマは思わぬ広がりを見せ、社会を巻き込んで大きな問題になることがある。情報の拡散には注意し、冷静にありたいところだ。まずは正しく疑うこと。想像で物事を判断しないこと。確かな情報源を確認すること。

簡単に情報発信できる現代では、思った以上に一人ひとりの持つ「力」は大きい。

季節を表す二十四節気で啓蟄の次は「春分」。この日を境に、少しずつ昼間の時間が長くなっていく。少しでも多くの人にとって心温まり、明るい季節になるよう願うが、緊急事態の雪解けはまだ読めない。

参考情報

デマ対策に参考にすべき情報源

マスクや消毒液やトイレットペーパーの状況 ~不足を解消するために官民連携して対応中です~(厚労省・経産省 3月11日夜更新)

政府からのマスクや消毒用アルコールについての公式情報。ツイッターでもトイレットペーパーの配送状況などを発信している。総合的な情報を網羅している。

■要約■

① 布製マスクを、2,000万枚、国が一括して購入する。事業者、自治体の協力を得て、介護施設、障害者施設、保育所、学童保育などに配布できるように準備を進めている。

② マスクについて、国内メーカーは、24時間体制で、通常の3倍の増産を継続している。

③ 消毒用アルコールについて、国内主要メーカーは、各社それぞれができる限りの増産に取り組み、全体として2月は昨年月平均比1.8倍の増産であり、今後も増産を行う予定。

以下URL
https://www.meti.go.jp/covid-19/mask.html

⽇本家庭紙⼯業会からのお知らせ(第2報)…3月2日発表

業界団体(企業側)による状況の発信

■要約■

①トイレットペーパーの供給量に不⾜はない。

②⽇本国内で消費されているトイレットペーパーの約98%が国内⽣産。

③⼀般的なトイレットペーパーの平均的な利⽤量は、過去のデータをみると、⼀週間程度で1ロール、1か⽉では4ロール程度を利⽤。4⼈家族の場合には、1か⽉で16ロール程度を利⽤しているのが実態。

★過去の利⽤実績等を参考に、買い占めや転売などの⾏為によって、必要とされている⽅にトイレットペーパーなどが届かないといったことがないように、ご理解とご協⼒をお願い申し上げます。

以下URL
https://www.jpa.gr.jp/file/release/20200302014901-1.pdf

新型コロナウイルス感染症に備えて
~一人ひとりができる対策を知っておこう~(首相官邸 3/10更新)

…新型コロナウイルスについての全般的な説明。政府の見解に関する情報など

以下URL
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html